池上彰のイスラム世界の本を読んだ
大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」 (講談社+α新書)
いきなり宗教の話から始まる。しかも、イスラム教の話から始まるかと思いきやキリスト教とユダヤ教の話やそもそも宗教とはなんなのか、死後の世界は?という話から始まるので、どうしちゃったの池上彰さんという気持ちになる。しかし、イスラム系の世界を知るには宗教とは切ってもきれないほど関係しているということのようだ。
宗教の話で一番驚いたのは、キリスト教ユダヤ教イスラム教の神が同じということ。今やものすごくたくさん信者のいる3宗教のトップとはよほど神々しい感じなのかと思ったら、だいぶ人間目線寄りなことにも驚いた。
自己中すぎない?— 山埼 (@yamazakiout) 2016, 2月 8
なんで同じ神を崇拝しておきながら、戦争するんだよという疑問がわくが、それの根本となってるのは、 キリストがユダヤ教を批判したことでユダヤ教徒の怒りをかって、十字架にかけて死刑にしたらしいのだけど、ユダヤ人が「この血の責任は、我々と子孫にある」と言ったことで子孫は迫害されるきっかけに。そして第二次世界大戦ではナチスドイツにユダヤ人が600万人も殺害された。とんだ先祖の一言である。
そしてユダヤ人の国をイスラエルに作ろうとして揉めて報復合戦をやっているという話が7章に書かれている。
それ以外だと、6章にアフガニスタンの話と8章に湾岸戦争の話が出てくるが、こちらはアメリカが関わってきて、ソ連との関係や石油との関係も出てくるので、一概に宗教だけの話ではない。
読みながら書いたメモ
アフガニスタンの話ではイスラム原理主義というのが関わってくるので、宗教色もある。イスラム原理主義はもともとはイスラム教の根本に返ろうと運動していたものなのだけど、極端に解釈する人達の行動により、過激派のイメージがついてしまっている。大半の人たちは平和的な運動をしているらしい。何でアフガニスタンでは紛争が絶えないのか、ビンラディンまで話しが及んで少しわかった気がする。
湾岸戦争については、サダムフセインが中東でイラクを強大な国にしようとして、隣のイランを攻撃し、その時にできた借金を返すためにクェートを狙ったのが始まり。子供の頃ニュースを見ていたが、改めてどういう戦争だったのか知る事ができた。本書でも書かれている「ニンテンドーウォー」のように、どうも空爆とかのゲームのような映像のイメージが強かったので背景を知ることができて良かった。
結局のところ、神様が同じなのになんで戦争をするのかという点は、日本が韓国と中国とで揉めるみたいに近い存在の方が揉めるということなのかもしれない。
内容についてはもっと書いておきたのだけど、切りがないのでここまでとしておく。読書はアウトプットしながらの方がいいと聞いてたので、ちょっとした感想をTwitterに投稿しながら読んでいたのだけど、教養のない人間からすると内容が濃いため、いちいちメモしておきたい事柄が多い。240ページくらいの本だが感想を書こうとしたらサラっと重要なことがたくさん書かれていて読書が捗らないので途中でツイートするのをやめた。
ただ、そんなページ数ということもあって、なぜそうなったのか?については、あまり細かいことは書かれていない。キリストがユダヤ教を批判したとあるが、何をどう死刑にされるほどの批判をしたのか?アダムとイブが神のような知恵を持ってしまったことの何がいけなかったのか?等もっと調べたくなる。そんな知識欲をかきたてる本である。
戦争の話題が多いため報復合戦や殺害など暗い気持ちになるが、分かりやすく書かれているので短期間のうちにたくさん知識を得たような気になれる。今度はイスラム系の明るい話題の本を読んでみたい。
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