映画「最強のふたり」を見た感想
設定が王道な感じの予告編で見てみたくなった。
以下ネタバレを含みます。
予告編では奇跡だの感動だのと言ってるが、見終わってから大してそうは思わなかった。
奇跡だと言われている部分は、スラム街出身の主人公ドリスが、普通出会うはずのない大富豪と出会い、ドリスの型破りな提案で起こる出来事のことであろう。例えば、介護用の車を使わずスポーツタイプの車で移動したり、夜の街へ散歩したり、障害の原因となったパラグライダーを再び楽しんだり。感動と言われている部分は、ラストのシーンを除いてはピンとこない。
それと、スラム街出身と言いながらもあまり貧しそうに見えない。ドリスの家族は子供の多い大家族だが、そんなに汚らしい生活をしていないし、Beatsのヘッドフォンを持っている。最低でも1万円くらいする高価な部類のヘッドフォンだと思うのだが。
実話を元にと言われるとどうもリアリティを求めてしまっていけない。リアリティで一番腑に落ちないのは、ドリスを採用するシーン。
他の求職者と比べると明らかに異なるドリスではあるが、面接時に何かいいものがあったとも思えない。ただ素直に接したのが良かったのか?まあ、大富豪で人を見る目があって、俺みたいな凡人にはわからないとこかもしれない。とは言え、このシーンで徐々にストーリーへと引き込まれていった。
このように庶民感覚の私には共感し辛い部分が多々ある。が、 最後はなかなかいい終わり方をしていたので終り良ければと言ったところ。
この映画の良いところは、(映画にしやすい)事実を元にしているからこそ設定が王道で、映画用にキャラクターをステレオタイプにしているところだろうか。そういう部分が楽しめやすい。まあ、どの部分が実話でどこが創作かかわからないけども。
ドリスは陽気な黒人で人当たりが良く面倒見がいい。なんかタクシーブルックリンでも見たようなキャラクター。大富豪は心が広く、クラッシクや絵画等の芸術に造詣が深い。
魅力的なモブキャラクターとしては個人的にはイヴォンヌがいい。ドリスはイヴォンヌと付き合えばいいのにと思ってたが、まあちょっと年上過ぎるかもしれない。ドリス的には、マガリーに夢中だったが、アプローチがセクハラすぎる。魅力的で言えば富豪の娘もかわいかったが、さすがに犯罪か。
ドリスの母さん(養母?)のキャラも絵に描いたような肝っ玉母さんっぽさで良かった。生活苦の肝っ玉母さんは万国共通なキャラなのだろうか、どこか既視感がある。
なんか、女性ばかり紹介しているが....
主人公2人以外で男性キャラクターで良かったのは求職者役の人たち。おそらく履歴書上はドリスより魅力的に見える人材なのだろうが面接等での無能感を醸し出してたのが良かった。
私の好きな作品というのはちょっと尖っていて欲しいのでアニメで言えば監獄学園とか好きなのだが、オススメは?と聞かれた場合には答えづらい。その点この作品は人にお勧めしやすい内容だった。
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