2016年8月31日水曜日

映画「おかえり、はやぶさ」の感想



dTVでの配信が終わるようなので見ておいた。
以下ネタバレを含みます

まあ、なんと言いうか、技術と努力の結晶である探査機はやぶさとは言え、無機物を中心に物語りを作るのは難しいんだなと思った。同じように宇宙空間を行って帰ってくるミッションで言えばアポロ13があるけど、人が中心であり、死ぬかもしれない危機感がわかりやすいからこそハラハラする。一方この作品では、人は管制室にいてモニタに表示される文字列またはグラフに一喜一憂する。やはり限界があると思った。事実は小説よりも奇なりで実際のはやぶさのミッションにおけるハラハラ感は圧倒的なんだけども。

はやぶさのミッションをエンターテインメント化するのが難しいとは言え映像化した社会的意義はあると思う。ストーリーはシンプルでステレオタイプな感じはするが、税金の無駄遣いだの何のために宇宙開発をするだの逆境をはね除けてミッションを成功させるストーリーはこれを見た人は宇宙開発のような探求を好意的に捉えるだろう(プロパガンダ?)。また、100年後とか遠い将来の日本で宇宙開発の歴史において当時こういうことがあったということを当時の人達が映画にしたという点でも価値があるだろう。作品の要所要所でサイエンス的なことや技術的なことを一生懸命説明しようとする姿勢や本物の資料映像みたいなのもある。

そういう点からすると子供向け作品なのかもしれない。おっさんが見てとやかく言うものではないのかもしれない.....。

まあ、ステレオタイプなストーリーはある意味シンプルで余計なことをしなくて良かったのではないかとも思うが、ただ1点なんで探査機はやぶさと病気のお母さんの不調具合をリンクさせたのか?なんでそうする必要があったのか?お母さんが(探査機も)ピンチの時に、息子が諦めることができないと言う(言わざるを得ない)のを導き出すためだろうか。それは作り手の都合だ。どう解釈していいかわからない。解釈に苦しむという点で言えば、エンドロールでなんでいろんなものをぶっ込んだのかw

はやぶさのミッションにおける復活劇や最後燃え尽きるなど涙なくしては見られないシーンは、他の映像で見たり、ネットや本で読んだりしたので、私的には今までのおさらいといった感じであった。

探査機はやぶさでエンターテインメント性あるものと言えば、ニコニコ動画のこちらかな。おさらい感があるのはこちらを見過ぎたせいもある。



やっぱり小惑星へ行ってサンプルを持って帰ってこれたという事実が凄いし、映画化難しいからドキュメンタリータッチにする方がいいんじゃないかという気はする。そういう意味ではコズミックフロントの制作陣が120分の映像を作成し上映したらどうなるだろうか。こちらは↓は89分。



NHK-DVD「コズミック フロント」大冒険!はやぶさ 太陽系の起源を見た

このはやぶさ回も含めコズミックフロントは好きだ。サイエンス番組だけどかなりエンターテインメント性があり知的好奇心を刺激される。

エンターテインメントな演出を抜きにリアルと向き合いたい人にこちらの本がおすすめ。理科にアレルギーがある人には厳しいかもしれない。



小惑星探査機「はやぶさ」の超技術―プロジェクト立ち上げから帰還までの全記録 (ブルーバックス)

映画の2時間では省略してる部分(ミネルバの失敗等)あるから、海外ドラマ(国内ドラマには期待していない)とかアニメのシリーズ物でどなたかじっくりやってくれないかなぁー。

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